子が賃貸経営を引き継げば土地の評価は半分以下に

 かりに、鈴木さんが金融資産から7000万円を使って賃貸アパートを建てた場合が図の右側です。

 相続時はおよそ6000万円になる土地は、賃貸アパートを経営することで「貸家建付地」の評価になり、評価額は4740万円になります。

 さらに、相続後は賃貸アパートの経営を子どものどちらかが引き継げば、貸家建付地は「小規模宅地等の特例」によって200㎡まで50%の減額が可能になります。

 小規模宅地等の特例は、条件に合えば居住用の宅地に適用することもできますが、一人暮らしで子ども2人は持ち家に住んでいる鈴木さんの場合、居住用の宅地には利用できません。そのため、貸付用の土地に限度面積まで適用できる点も見逃せません。この特例で土地の評価額は半分の2370万円になります。

 新築したアパート建物の相続時の評価額は、固定資産税評価額を建築費用の6割とした場合、そこから借家権割合を差し引いて、およそ2940万円になります。

また、金融資産は建築費用の拠出により8000万円となるため、自宅を含めた課税相続財産は大幅に圧縮できます。

 その結果、相続税の総額は2833万円となり、何もしない場合よりも半分近くに抑えられます。

 鈴木さんのように金融資産が多い場合、子ども2人は納税資金に困ることはないでしょう。

しかし、できるだけ効率的に子どもに財産を残したいなら、金融資産を生かして賃貸アパートを建てるほうが、子どもたちが負担する相続税はぐんと少なくなり、子どもたちにとっても助かるのではないでしょうか。

 鈴木さんが親から引き継いだ思い出の土地も、自分の子どもに上手に引き継ぐことで、さらに次の世代まで残しやすくなるでしょう。

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